ETFマネージャーの役割
ETFマネージャーについて語る前にまずその役割を具体例を使って知ってもらいたと思います。例えば、TOPIX連動型ETFを考えてみます。東証コード1305や1306などです。
ETFマネージャーは、そのTOPIX連動型ETFに対して、実際にTOPIXを構成する2000ほどの銘柄を、TOPIX構成比率に応じた割合で資産として保有しています。
例えば1306の場合、2019年2月28日付で、以下のような株式からなる資産を保有しています。
- 1.トヨタ:41,357,200株
- 2.ソフトバンクグループ:15,218,700株
- 3.三菱UFJフィナンシャルグループ:251,976,200株
...これが、1306というETFの裏付けとなる資産です。
これらの株式数はTOPIXの構成比率とほぼ等しい割合になっていますから、当然この1306の資産価値もTOPIXと連動して変化します。
1306の目的が、投資家にTOPIXと連動したリターンを提供することにあるわけですから、例えばTOPIXに銘柄入れ替えがあれば、それに対応して保有銘柄を変更させなければいけません。こうしたことを行うのが、ETFマネージャーです。
また、ETFマネージャーは、この保有している資産に対して決まった数量のETFを発行します。
例えば1306の場合ですと、約8.77兆円の上記保有資産に対して、およそ52.79億株のETFが発行されています。
したがって、2019年2月28日時点で、ETF1株当たりの純資産は8.77兆円÷52.79億株=約1661.5円程度ということになります。
純資産のことを英語でNetAssetValueと言い、略して「NAV」と言います。今の場合1株当たりのNAVが1661.5円なわけです。
したがって、取引所でも、この付近の価格で取引が行われているはずです。
実際、2月28日の1306の引け値は1662円でした。この1株当たりNAVのことを基準価格と言います。
ETFマネージャーは、こうしたETFに関連した資産の管理を行っています。
現実には、保有資産は信託銀行などで保管されているのですが、簡単のため図には示しませんでした。