保有株式の株価下落リスクのヘッジとしても空売りは有効
空売りは、下落相場で利益を狙えるだけでなく、保有株の下落リスクのヘッジとしても利用できます。
たとえば、含み損がでていたり、株主優待の長期保有の優遇などがあったりするなど、売りたくない現物株を保有していたとします。
しかし相場環境が悪いので、そのまま保有していると損をしてしまう可能性が高い。 そんなときは、その株式を売らずに、同じ株式の同じ株数を空売りします。
これを「つなぎ売り」と言います。
つなぎ売りは、株主優待を株価下落による損失リスクを抑えて受け取る方法として人気を集めています。 ただし、空売りできる銘柄が限られているうえ、売買手数料や貸株料などのコストがかかります。
つなぎ売りをしてもコスト以上のメリットがあるのかを、きちんと見極めて取引するようにしましょう。
保有中の現物株や投資信託を担保にできる
空売りをするためには、委託証拠金を預ける必要があります。
委託証拠金とは、株券を借りて空売りするために、担保として預けるお金。 建玉代金の30%以上と決められています。
建玉(たてぎょく)とは手持ちの保有株のことで、空売りの場合は「売建玉(うりたてぎょく)」と言います。
委託証拠金は30万円以上という条件の証券会社がほとんどですが、現金だけでなく保有中の現物株や投資信託を充てることも可能です。 これを「代用有価証券」と言います。
多くの証券会社では、現物株や投資信託は時価の80%に相当する評価で委託保証金に加算されます。 追加の現金を入金しなくても、配当や株主優待目的で長期保有している株や、損切りできなくて塩漬けになっている現物株を委託証拠金として活用できるのです。
ただし、現物株を担保にしている場合、株価が下がると委託保証金の評価額も下がるので注意が必要です。